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Insight / 相続・資産税土地評価は「判断の連続」である                                                 

~相続・贈与の土地評価実務をめぐる研修を経て~


あらためて見えてきた、税理士に求められる姿勢



同じ土地なのに、評価額が人によって違う。相続の現場で、この事実に戸惑うご相談者は少なくありません。ではなぜ、そんなことが起きるのか。今回の研修で最も印象に残ったのは、その答えにつながる一言でした ― 土地評価は単に評価通達を当てはめて計算する作業ではなく、「判断の連続」である。

実務には明確な正解がある案件ばかりではなく、多くがグレーゾーンである。

そのため、一つひとつの事実関係を丁寧に確認し、根拠を持って判断する姿勢が重要であることを学びました。ここからは、研修を通じて特に印象に残った四つの視点をご紹介します。いずれも、相続・贈与のご相談を受ける立場として、日々の実務に持ち帰りたい内容でした。


01 時価には「幅」がある ― だから、説明が要る


土地の時価には幅があり、算出した評価額についてクライアントから理解を得られない場合も少なくない、との説明がありました。

そのため税理士は、評価額だけを示すのではなく、なぜその評価になったのかを十分に説明し、必要な資料を添付して根拠を明確にすることが重要であると感じました。特にグレーゾーンの案件では、後日の確認や税務調査にも対応できるよう、判断の経緯を残しておくことの大切さをあらためて認識しました。


02 なぜ、税理士に建築の知識が要るのか


税理士であっても建築に関する知識を身に付ける必要があり、建物の構造や利用状況、登記内容などを十分に調査することの重要性が強調されました。

実務では土地と建物の名義が異なるケースも多く見受けられますが、その場合は使用貸借や賃貸借などの権利関係が存在する可能性があるため、安易に判断せず、背景を十分に確認する必要があることを学びました。


03 「高低差があるから減価」は成り立たない


土地の評価では、高低差があるという理由だけで直ちに減価できるわけではなく、周辺環境や実際の利用状況、道路との関係などを総合的に確認した上で判断することが重要である、という説明も印象的でした。


研修から学んだ実務のポイント


  • 事実関係の確認 一つひとつの事実関係を丁寧に確認し、根拠を持って判断する

  • 根拠の明示 評価額だけを示さず、必要な資料を添付して根拠を明確にする

  • 権利関係の確認 土地と建物の名義が異なる場合は、使用貸借・賃貸借の可能性を確認する

  • 減価要因の総合判断 高低差だけで直ちに減価せず、周辺環境・利用状況・道路との関係を確認する

  • 判断経緯の記録 後日の確認や税務調査にも対応できるよう、判断の経緯を残す


04 迷ったときは、ひとりで結論を出さない


判断に迷った場合は自分だけで結論を出さず、積極的に行政機関へ確認することも実務では欠かせないとのことでした。

役所へ問い合わせるのであれば、比較的電話がつながりやすい水曜日の午前中がよい、という実践的な助言も非常に参考になりました。ただし、質問などする際には、事前にそれなりの下調べと勉強をしてからのほうが受け答えがいいそうです。

おわりに


今回の研修を通じて、土地評価は知識だけではなく、事実確認、資料収集、根拠に基づく説明力が求められる業務であることをあらためて理解しました。

今後の実務においても、一つひとつの案件を丁寧に調査し、適正な土地評価と納税者への分かりやすい説明を心掛けていきたいと考えています。


株式会社東京アドバイザリー/Tokyo Advisory Co., Ltd.


日本語・英語のバイリンガル対応で、外国人個人・インバウンド企業のクロスボーダー税務、会計、入管業務をご支援しています。相続・贈与に関するご相談も承っております。


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