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取適法対応、まず何から?      現状を可視化する無料ツール

更新日:1 時間前



──プライム上場企業の内部監査部での実務経験から設計した、実践的チェックツール5点セット

執筆者:山本真美子(東京アドバイザリー株式会社)

公認会計士・税理士・行政書士・USPCA|プライム上場企業内部監査部で4年半の実務経験


1. 取適法対応って具体的に何をすれば?


2026年1月に施行される「取適法(中小受託取引適正化法)」について、前回のブログで法改正のポイントやリスクをご説明しました。

その後、多くの企業様から次のような声があります:

・うちに要求される線引きはどのレベル?

・自社が対象かどうか、判断に不安がある

・契約・価格協議・支払条件、リスク判定のコツは?

・内部監査(業務監査)でやるべき監査手続、報告が要求される項目は?

多くの企業が「制度理解」→「実務対応への落とし込み」の段階で疑問点が起きます


私自身、プライム上場企業の内部監査部で4年半勤務し、下請法対応の監査設計から実際の監査実施、かんさ1報告まで一通り経験してきました。その経験から断言できるのは、「法改正の内容は理解できても、それを監査手続に落とし込むのは全く別のスキル」だということです。


2. 外せない「法趣旨の理解」と「現状の可視化」


取適法対応で重要なのは、いきなり完璧を目指すことではありません。

内部監査部での経験から言えば、最初にやるべきは次の3点を整理することです:

① 自社は取適法の対象になり得るか(適用範囲の判定)

② 取引・契約・価格協議プロセスにどんなリスクがあるか(リスク特定)

③ どこが未対応・要改善なのか(ギャップ分析)

実際の内部監査では、「監査調書として使える形式」「経営報告にそのまま使える資料」「現場が理解できる実務ツール」の3つが揃っていることが極めて重要です。

これを短時間で整理するためのツールとして、私の内部監査部での実務経験を踏まえて設計した「取適法対応チェックツール5点セット(Excel)」をご用意しています。

3. 【無料】取適法対応チェックツール5点セット──内部監査の実務経験から生まれた設計

このツールセットは、取適法改正内容を踏まえ、企業が最低限確認すべき実務ポイントを一覧化したものです。

上場企業の内部監査部で実際に使われているチェックリスト形式を基に、法改正内容を反映させた「即座に内部監査実務で使える」設計になっています。


【内部監査実務経験から】

内部監査部での4年半で痛感したのは、「総務部が作る規程」と「内部監査部が使うチェックリスト」と「現場が理解できるフロー図」の連携が取れず、実効性のある監査がなされない──という非効率性

今回のツールセットは、この3つを最初から統合する形で設計しています。


【ツール①】取適法・適用判定マトリクス

✓ 自社・子会社・取引先が規制対象かを即時に判定

✓ 従業員数基準(300人/100人)を自動計算

✓ 取引類型ごとの適用有無を可視化

【内部監査での使い方】監査スコープの確定・リスクマップ作成に直結

→ 「うちは対象?」の疑問を即座に解消し、監査計画書に添付可能


【ツール②】価格協議・説明責任記録テンプレート

✓ 協議日・要請内容・回答理由を構造化して記録

✓ 行政調査対応の証跡として即座に提出可能

✓ 「協議拒否」「説明不足」リスクを予防

【内部監査での使い方】サンプリング調査時の証憑確認リストとして使用

→ 改正後の最大リスク領域を証跡管理でカバー


【ツール③】内部監査チェックリスト(全25項目)

✓ A.適用対象判定(4項目)

✓ B.価格協議プロセス(5項目)← 最重要

✓ C.契約・発注プロセス(4項目)

✓ D.支払条件・手形廃止(4項目)

✓ E.教育・ガバナンス(4項目)

【内部監査での応用】監査調書として使用し、リスク評価・改善期限まで一元管理

→ 実務で使用することを想定して、取適法対応版として再設計


【ツール④】経営層向け「改正リスク報告」雛形

✓ 法改正サマリー・自社影響範囲の整理

✓ 想定違反リスクと公表・レピュテーション影響

✓ 必要な経営判断事項(5項目)を提示

【内部監査での活用】四半期報告・取締役会報告資料に含める

→ 内部監査部が「経営に刺さる」報告資料をそのまま使用可能。実際に役員会でも通用する形式

【ツール⑤】RACI責任分担マトリクス

✓ 見積→協議→契約→発注→支払の各工程で責任者を明確化

✓ R(実行)・A(説明責任)・C(相談)・I(報告)を可視化

✓ 購買・法務(総務)・経理・内部監査の連携体制を想定

【内部監査での活用】内部統制評価(J-SOX)の業務記述書として使用可能

→ 「誰が何をするのか」の職務分担を明確化、内部統制の不備につながるのを事前防止


4. 内部監査部での実務経験から見えた「本当に必要なこと」

プライム上場企業の内部監査部で4年半勤務する中で、下請法対応監査の現場で痛感したことがあります。

【現場で懸念された問題】

・総務部は規程を作るが、事業部では規程を実践する意識が薄い

・内部監査部は指摘するが、現場での改善策の道しるべを示さなない

・経営層は「対応済み」と思っているが、実態は計画のみ

・価格協議の記録は「ある」が、制度が要求する形式ではない

【対応が必要とされるポイント】

・法務・監査・現場が「同じツール」を使うこと

・「チェックリスト」で終わらず、改善アクションをできること

・経営層に「リスクの深刻度合い」が伝わる報告形式

今回のツールセットは、これらを網羅しています。


5. ツール活用後のロードマップ


チェックツールをご利用いただいた企業様から、次のようなご相談を多くいただいています:

【段階①】初期診断(無料)

「この結果で、どのリスクを一番重視すべき?」

「自社の場合、優先対応すべき点を教えてほしい」

【段階②】実務整備支援

「内部監査・経営報告用に整理したい」

「実務ルールや契約書テンプレートまで整備したい」

「購買・営業向けの研修資料を作成したい」

【段階③】継続監査・DX支援

「協議記録の保存を自動化したい(契約管理クラウド連携)」

「監査ダッシュボードを構築したい(Power BI / Looker)」

無料ツール → 初期診断 → 実務支援 → 継続監査という流れで、無理なく対応を進めていただけます。


6. 東京アドバイザリーの独自性:法務×会計×ITの三位一体

取適法対応は、法務だけ、監査だけでは完結しません。

東京アドバイザリーは、公認会計士・税理士・行政書士・IT実務経験を持つ専門家が、法務・会計・ITの三領域を横断して支援できる、国内でも希少なファームです。

✓ 法務:金商法対応・会社法対応・契約書レビュー・規程整備・コンプライアンス

✓ 会計:内部監査計画支援・J-SOX評価支援・監査報告書支援

✓ IT:全社IT規程等各種規程、IT基盤ごとのシステム運用に含まれるITリスク評価支援

専門領域が分断されず、ガバナンスを一貫性をもって構築できることが最大の強みです。


7. 施行までわずか──今できること

2026年1月1日から施行されます。

実務対応には想像以上に時間がかかります。

【実際に必要な準備期間(内部監査部での経験から)】

・現状調査・ギャップ分析:1〜2ヶ月

・規程改定・承認プロセス:2〜3ヶ月

・契約書テンプレート整備・法務レビュー:1〜2ヶ月

・全社研修・説明会実施:1〜2ヶ月

・運用テスト・改善:2〜3ヶ月


すでに施行目前ですが、今まで下請法に対応してきたことと、取適法の要求することとのギャップを把握するための現状分析が重要となります。


【今すぐできること】

✓ 無料チェックツール5点セットのダウンロード

✓ 初期診断・簡易相談(無料・30分)

✓ 内部監査・法務部門向け個別相談(有料)


📩 お問い合わせ

東京アドバイザリー株式会社

公認会計士・税理士・行政書士・USCPA

六本木ヒルズ森タワー16階


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